「今、高齢者のインプラントが大きな問題となっている」と危惧するのは。前出の●●氏だ。

「インプラントを維持するには、適切なメインテナンスが必要です。手入れが出来ていないとインプラント周囲炎になる可能性が高い。ところが高齢者の場合、寝たきりや介護になるなど、自分で手入れが出来ない状況になる可能性があります。

 

これに関しては大変語弊があります。高齢者、寝たきりや介護の場合、インプラントに限らず、自分の歯が残っている場合はもっと大変です。インプラント周囲炎も問題ですが、歯石がかなり付着している歯など歯周病になる可能性はもっと高くなります。

まして、重度で介護が必要な方は、そのような場合、麻酔される事、抜歯される事などなぜそのような事をしなくてはならないか分からない方も決して少なくありません。

また、そのご家族は通常、「入れ歯を入れてあげてください。」と言いますが、入れ歯を入れる事はその本人にとって非常に不都合な事も少なくありません。

介護施設などでは入れ歯の管理もとても難しく、また、ブラッシングもとても難しく、手を焼いている事もあります。

これから更にこのような問題は多く出てくるものと思われます。

インプラント周囲炎を懸念するのなら、自分の歯を守る事の方が困難である事は間違いありません。

この場合、●●氏は介護になった場合、「健全に残っている歯も抜いてしまえ」ということなのでしょう。

インプラントの問題も多いですが、義歯はもっと大きな問題を抱えています。義歯が合わない人は何度も調整を繰り返します。これも意志の疎通が図れる人に限ってですからその問題をこの先生はどう捉えているのか聞きたいものです。