以前保健診療を行っていたときは、むし歯治療の8〜9割が治療の『やり直し』でした。

と自費専門の予防歯科医は言っています。

 

むし歯を全て除去せずやり直し。本当にやり直しなのか、それともむし歯の再発なのか。

むし歯の再発を防ぐのには予防ですが、やり直しとなると話は違います。この先生の言うむし歯のやり直しの殆どがC2。神経までむし歯が及んでいないものとして捉えられます。

なぜなら以前この先生が行った治療で神経まで達したものはまた私たちがむし歯治療のやり直しのやり直しをしています。現在、根管治療(根の治療法)はかなり多く存在し、保健診療では利益としては大きなダメージです。私たちの収益に対するダメージは勿論のこと、患者さんにとっても時間、日数がかかり何の治療をしているか解らないというダメージです。きちんとこの治療を行うためにはどうしても人間の手で行わなくてはなりませんし、歯の根の方向、数など個性ある歯の形態を全て把握しなくてはなりません。最近、マイクロスコープが流行っていますが、歯の根の方向を見極めることもできませんし、根の掃除の仕方も見極めることも出来ません。要は入り口しか見えません。この治療を極めるためには地道に歯の根をしっかり把握する、いわば職人的鍛錬が絶対必要になります。私の考えでは根の治療に関してマイクロスコープは単なるパフォーマンスでしか思えませんし、コマーシャル的な要素としてしか考えられません。なぜなら根のあるところをスコープを通して見つけるだけです。根の中までは全く観る事ができませんし、根の曲がり具合も全く観る事も出来ません。この先生がスコープを使っているかどうか解りませんが、根の治療のやり直しをしたのは確実です。そして見事に問題は解決し、咬む事が出来るようになりました。本当に大変な技術ですが、鍛える地道な努力を私たちはしなくてはならないと思っています。

根の治療の失敗はいつ痛くなって、いつ腫れるか解らない口の中に地雷を仕掛けているようなものです。