○○歯科クリニック院長の××氏が、日本の歯科医療制度の問題点をこう指摘する。「今の保険制度は歯科の診療報酬が低すぎるのです。それでやっつけ仕事で、ばんばん患者を回すか、自由診療で高額な治療をしないと歯科医はやっていけなくなっている。私は今、100%自由診療の予防歯科をやっていますが、以前保健診療を行っていたときは、むし歯治療の8〜9割が治療の『やり直し』でした。前の歯医者がちゃんと治療していないから、本来であれば10年20年持つところが、1年以内に痛くなったりするのです。」

本当に偶然なのか、ここに通院していた患者さんを私も診ることがありました。私の後輩の歯科医にお願いして治療方針と治療法を診ながらお願いしました。その話は後ほどとして、確かに保険制度における歯科の保険点数はとても低いです。低すぎると言っても過言ではありません。例えば痛み止めなどの薬剤を歯科で出すと原価割れしています。痛みを取ってあげればあげるほどマイナスになる。本当におかしいですよね。要は国は歯科医が治療を誤魔化す物だという前提で保険点数をつけているとも思われます。そして死と直結しない歯科はやっつけ仕事になっているところも多々あります。(治療の跡をみると)

さて、この先生のお話の中で高額な自由診療と言っていますが。。。予防歯科は基本的に何もしていなくて経費もかからず勿論定額ではあります。勿論必要な予防もあります。これは保険内でも可能でありますが、とても時間がかかります。

高額でもきちんとした技術を持って本当に後悔しない治療であれば私はそれはそれで良いと思います。逆に低額でも予防と称して必要のないことをやっていることそれはそれで罪な気がします。

この先生がいうやり直しですが、私もこの先生の治療をやり直しました。ちゃんと治療していないからと言いますが、この先生の根の治療の失敗を治したことがあります。よく、予防だけで治療を行っている先生は(予防歯科を否定しているわけではありません。)保存治療、外科治療が苦手だと聞きます。私たちの歯科医院では“抜かずに治す”と掲げている限りは予防は切っても切れないものです。予防も治療の一環として行いますが、悪くなったところはもう二度と触らないという考え(予防)を持たない限り意味がありません。

根の治療はその大きな分岐点です。