集団予防接種の使い回しでB型肝炎ウイルスに感染した、○○さん(○歳)。銀歯の下でむし歯が進行したため歯科医院に通院しているがこんな扱いを受けた。「B型肝炎患者だと告げたら、“消毒の関係で午前の最後か、夕方の最後に来てくれ”といわれました」

さらに治療中のうがいを禁じられ、毎回苦しい思いをしているというのだ。

 

基本的に歯科医院のスタッフ、歯科医師全員、B型肝炎ウイルスの予防接種を受けています。その上で、消毒の関係上治療の最後にというのは観血処置(出血の多い治療)を行う際、血液が飛沫する可能性を示唆していますから少なくとも数時間そのユニット(診療台)を放置して感染を極限まで起こらないように気を遣うためです。実際、すぐにユニットを清拭、消毒すれば問題ありませんが、万が一を考えれば差別ではなく、当然と言えば当然です。

ガイドラインではすぐに清拭・消毒すれば絶対か?といえばその事に触れていないのは事実です。このガイドラインもおかしな事が多いです。滅菌・消毒などスポルディング分類というのがあり、高度、中等度、低度と分けられ手術機器、機材は勿論高度だと言えます。しかし内視鏡は極度の高度であると思われますが中等度リスクとなっています。血液、粘液、吐瀉物、糞尿からの感染が最も高いはず。内視鏡を鼻から入れて鼻粘膜からの出血もあります。それなのになぜかこれに対して問題視する事は少ないと思います。それだけ歯科の感染に限ってナーバスになっているとも言えますし、それをどう考えるかはまだ未だ課題が多いのではないかと思います。ただ、今回の記事での問題はうがいも禁じられというのは本当でしょうか?本当に感染源であれば一度うがいしても、何度うがいをしても同じ事です。それに対しての対策をしっかり講じることが重要です。まず、医療としてどの患者さんに対しても安心出来る環境を提供することが重要ではないかと思います。