〜保健診療では一つの入れ歯で2321点(23、210円)。患者の支払う額は6960円だ。この入れ歯にも「保険と自費」の問題が横たわる。保険で使用出来るタイプは必ず金属製のバネが付いており、そこがむし歯の原因になりやすい。そうしたことから、金属製のバネがない「ノンクラスプ式入れ歯」が注目されている。軽い素材で、薄くて柔らかいため、違和感が少ないという。

 

これも話が大げさですね。このノンクラスプ式入れ歯は既に10年以上この世に出てきています。以前は輸入で注文する方式でしたが、現在では日本でも製造可能になっています。私はこのノンクラスプ式入れ歯は推奨していません。冷静に考えて審美(見栄え)は良いのですが、機能的にも問題がありますし、壊れても修理がききません。また、調整するときもかなりやりにくい感じがあります。(慣れだけではなく)。

それだけではなく、むし歯になりやすい、なりにくいはあまり大きくかわりません。かえってこちらの方が歯周病に罹患する確率は数段高くなります。それに保険の義歯の場合、バネが見えるのは審美的によくありませんが、むし歯になる確率はかえってノンクラスプの方が高いのではないかと思います。バネはバネのかかる歯の周りを一層覆うだけですが、ノンクラスプは顎に義歯がくっつくイメージですがそんな事はありません。バネのかかる歯全体を覆ってしまい、バネの代わりにしますから歯垢が沢山くっつくのはノンクラスプの方です。確かに素材は軽いですが、調整や、修理はとても困難を極めます。この義歯を使用するときは顎の形が変形してしまっているケースでは使用する事がありますが、通常の場合、見栄え以外、保険の義歯よりは劣っていると私は思います。