かつてインプラントに関して生着率の問題を学会で取り上げていました。どれだけ正着するか○%というようにメーカー毎に算出していました。今、広告で古くからの安心とかブランドとか言っていますが、現在のインプラントはすべてチタン製で出来ており、(純チタンではないものもあります。)殆ど同じ確率で正着します。中にはブレードという昔のインプラントがあると雑誌にはありますが、現在、どこのメーカーもそれを作っていません。もし、それが現在でも横行しているのであればそれは大きな問題となります。インプラントに何のトラブルもなく、正しく、高い技術で行われていれば問題がないというのならこのチタン製のインプラントが日本で認可がとれてから25年ほどです。それが毎年のようにインプラントの形態、表面処理の仕方が変化してくるはずがありません。それでもインプラントの生着率は普及すればするほど落ち込んできており、それを技術の高い、低いで判断するのはおかしな話です。都会ではこんな話があります。手術の設備、本数、経験、ある学会ではトップさらには本まで出版している歯科医院でインプラントがだめになり、転医し、転医先の歯科医院で診断したところインプラントを撤去した方が良いと患者さんに伝えました。そしたらインプラントで有名な歯科医院から「患者に余計なことをいうな!」と怒鳴られたそうです。インプラントに対する考え方は多々ありますが、あまりにも横暴ではないかと思います。以前私が一番問題にしていたのが同じ技術、同じ製法ですべてがなぜ正着しないのかということ。

勿論患者さんの体質もあるでしょうが、どうもそれだけではないという事が解りました。

すぐに気がついたのは「インプラントがこれほど流行る前は非常に生着率が高かったのに流行りだしたら生着率が低下した。」ということです。はじめはこれだけ受注が増えるとメーカーのインプラントバブルで手を抜き始めたのではないかと考えたのですが、どうもそうではなかったという事です。

現在ではその確率もかなり高くなり、まずロスト(インプラントの脱落)がなくなりました。

その理由は当医院に来たらお話します。(笑)

インプラントに限らず、私たちが日々行っている治療はまず何を大切にすべきか、それを判断するすべてに精通していなくてはなりません。インプラントはあくまで歯科治療のほんの一部でしかありません。手術に関しては外科かもしれませんが、咬むという観点から外科だけでは何の意味もありませんからインプラントの“認定”“専門”は微妙ですね。