「隣の歯も厳しいかな〜」

 

インプラント1本7万円〜(実績3000症例)よくありますよね。3000本なら解りますが、3000症例とは3000人がこの先生の治療を受けたという事になります。インプラント手術を1日1人1年間休みなしで行って365人。これ一人の歯科医師がやったのならとてつもなくアホですよね。そして実績3000症例だって誰の実績ですかね。一人の歯科医師?このチェーン店全体の総実績?それとも日本の歯科医師の総実績ですか?

インプラントはまず骨とくっつくところが大切。その後かみ合わせ、そして審美。インプラント手術に関しては規格化されていますがよほど無理な症例以外はきちんと診断が出来ればそれほど難しくありません。しかし、かみ合わせに関しては相当考えなければなりませんから、そちらの方が時間がかかります。ですから単に本数、症例だけを表に出してもかみ合わせをきちんと考えればかなり不可能な数字になりますね。

そしてチームと検討した3日後。「この歯は、抜かなきゃ行けないと思うんですねー」「うーん、隣の歯も厳しいんじゃないかなぁ。頑張って残してもあんま将来性がないかもしれない。それだったら、一度にやっちゃった方が楽だと思うな」

この話がほんとうだったら・・・いやいやこれは私の所にもそんな患者さんが来院されたことがあります。勿論抜く必要のない歯にインプラントをやる話になって来院されました。特に個人的にインプラントセンターとあるところはこんな話になる事が都会では多いようです。患者さんに食わせるか、食いものにするか。それは歯科医の理性にかかわることですね。

インプラントが普及して以来、歯科医が医者としての価値はどんどん下がっています。インプラントはあくまで治療の一つ。自分の歯を何時までも残すためにその補助、助けとして行うものであり、メインで行うものではないと私たちは考えています。