ここに登場するサイトウ歯科医院の院長先生。あえて名前を出すのは私と考え方が非常に近いという事。会ったことはありませんが、とても共感を受けるところがあります。私よりも結構上の先生ですが、この時代の先生は今よりももっと歯を抜いていたはずです。矯正の先生に歯をもらいに行く、インプラントの先生に歯をもらいに行くと今の時代は変わっているのですが、私の頃は抜いた歯が大学にゴロゴロしていました。保存といっても先に出てくる治療でアマルガム、インレーといったコンポジットレジンで修復する事が無かった時代ですから抜歯は当たり前だったのです。70年代は「歯を残すのが一番大切な仕事」と教えられたようですが、私の残す治療を教わったのは大学を卒業してからでした。あの時代では残す限界がまだまだ甘い基準で抜かれていたと思います。明らかに今のほうが歯を抜かなくなったと言うこと、そして患者さんが歯を残そうと努力していることも一因でしょう。

確かにインプラントが入ってきてからは抜く事が主になって健全な歯をぬいてしまう歯科医もいます。あるインプラントで有名な、歯科医に講演している先生は平然と抜歯してインプラントをしたことを自慢げに話をします。某大学の臨床教授という肩書きもありますからきいている歯科医、学生はそれを当然としてみているでしょうね。

逆に、ここに登場する先生や私は変わり者と扱われても過言じゃありません。(笑)

医科で目をとったり、耳をとったり、指をとったりすると障害があると認定されます。しかし歯科は全く問題無く日常茶飯事に行われているため軽く見てしまうことも仕方がないことかもしれません。

いかに歯を残す事にこだわるか、それは理性なのか、究極のフェチなのか患者さん一人一人によって違いがありますよね。

究極のフェチである私はもう25年も前から何とか残す事を考えています。