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乳歯の虫歯、どうせ抜けるからって放置していませんか?

2025.08.07

こんにちは、長野県岡谷市の太田歯科医院、歯科医師の太田大聖です。
当院には毎日多くの小さなお子さんが来院されますが、保護者の方からよくこんなご相談を受けます。

「乳歯っていずれ抜けるんですよね?虫歯になっても治療しなくていいんじゃないでしょうか?」

このお気持ち、とてもよくわかります。
確かに、乳歯は数年後には永久歯に生え変わる“期間限定の歯”ですから、「自然に抜けるのを待てばいいのでは?」と思うのはごく自然な感覚だと思います。

しかし実際には、乳歯の虫歯を放置することで、将来的に大きなリスクを抱える可能性があることをご存知でしょうか?

今回は、小児歯科専門医の視点から「乳歯の虫歯をなぜ放置しないほうが良いのか?」を、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。


乳歯の虫歯を放置するリスクは、想像以上です

まず最初にお伝えしたいのは、乳歯も“しっかりと治療するべき大切な歯”だということです。

乳歯の虫歯を放置してしまうと、以下のような問題が起こる可能性があります。


✅ ① 痛みや腫れなど、日常生活への支障が出る

乳歯も虫歯が進行すれば、当然痛みが出ます。
「どうせ抜けるし…」と放っておくうちに、歯の神経にまで炎症が広がり、夜も眠れないほどの痛みになることも

さらに進行すれば、顔が腫れる、膿がたまる、熱が出るなど、全身に影響を及ぼすケースもあります。

ただし、基本的に子どもの虫歯は痛みがでないことが多いのです。なので、気付いた時は大人の歯が蝕まれてしまったというケースも少なくありません。


✅ ② 噛みにくくなる → 栄養不足や発育への影響

虫歯の歯で物を噛むのは、大人でもつらいものです。
子どもはそれをうまく言葉で表現できないこともあり、「ご飯を食べなくなった」「片方の歯ばかりで噛む」といった変化に、親が気づくこともあります。

噛む力が低下、片方の歯ばかりで噛む習慣がついてしまうと、顎の発育や栄養バランスにも影響するため、放置は避けたいところです。


✅ ③ 永久歯に悪影響を及ぼすことも

乳歯の根の先には、これから生えてくる永久歯の“芽”が待機している状態です。

もし虫歯菌が乳歯の神経や根の先まで達してしまうと、その下の永久歯に影響を与えることがあります。
実際に、乳歯の虫歯が原因で、永久歯が白く濁ったり、変色して生えてくるケースもあります。


✅ ④ 歯医者への“恐怖心”が残ってしまう

虫歯が進行してからの治療は、痛みを伴うことも多く、どうしても「無理に治療する」場面が増えてしまいます。

それによって、「歯医者=怖いところ」「歯医者=押さえつけられる場所」といったネガティブな印象が残ってしまい、
その後の予防や定期健診にも行きづらくなる悪循環につながります。


✅ ⑤乳歯の 虫歯菌がその後の永久歯に広がることも

虫歯は「感染症」です。

乳歯の虫歯が多ければお口の中全体の虫歯菌の総数はかなり多くなります。

そのお口の中の環境で大人の歯が生えてきたらどうでしょう??

真っ先に大人の歯も虫歯になってしまいます。

乳歯のうちに治してしまえば、お口の中の虫歯菌の総数は低くなり、その後の長い将来虫歯になりずらいお口の環境を作ることができます。


乳歯には“永久歯がきちんと並ぶための役割”もあります

乳歯の最大の役割のひとつは、
「後から生えてくる永久歯が正しい位置に生えるための“ガイド”になること」。

虫歯によって乳歯が早く抜けてしまったり、形が崩れてしまったりすると、
永久歯が斜めに生えたり、スペースが足りなくなったりして、歯並びが乱れるリスクが高まります

将来的に矯正治療が必要になるケースもありますので、
「虫歯1本」だとしても、その後の人生に関わる可能性があるということは、ぜひ知っておいていただきたいです。


小児歯科では、無理のないペースで治療を行います

「でもうちの子、歯医者が怖くて大暴れするんです…」
そんな保護者の方も多くいらっしゃいます。

ご安心ください。当院では、

・ まずは診療台に座るところから練習

・ 鏡を見たり、器具に触れたりするだけの回もOK

・ 泣いてしまっても、無理に治療はしません

というように、お子さん一人ひとりのペースに合わせた診療を行っています。


「泣いたらどうしよう」と心配な方も、まずは気軽にご相談ください。


虫歯をつくらないために、ご家庭でできること

もちろん、虫歯ができる前に予防することがいちばん大切です。
当院では、次のような取り組みを行っています。

・ ✅ 定期的な検診(3〜4か月ごと)

・ ✅ 仕上げ磨きの指導(小学校低学年までは大人のサポートが重要)

・ ✅ おやつやジュースの見直し(時間と回数に注意)

また、子ども自身が「歯を大事にする気持ち」を育てていくことも大切です。
治療の際には、「今日もよくがんばったね!」と声をかける習慣が、自然と“歯を守る気持ち”につながっていきます。


まとめ:乳歯の虫歯は、一生に関わる問題かもしれません

「乳歯はいずれ抜ける」とは言っても、それは**“健康な状態で自然に抜ける”のが理想**です。

虫歯ができてしまい、それを放置したことによって、

・ 永久歯がきれいに生えてこなかった

・ 食事がうまくできなくなった

・ 歯医者が怖くなって通院できなくなった

といった悩みにつながるケースも、実際にあります。


小児歯科専門医として、当院では
お子さん一人ひとりの成長や特性に合わせて、無理のない治療・安心できる環境づくりを大切にしています。

「これって虫歯かな?」
「いつから診せればいいんだろう?」

そんなちょっとした疑問でも構いません。
どうぞお気軽にご相談ください😊

日本障害者歯科学会認定医・日本小児歯科学会専門医
歯科医師 太田大聖(岡谷市・太田歯科医院)


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